英文名 | Biological Oceanography | |
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科目概要 | 海洋生命科学科1年後期 [(15コマ)]、2群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●三宅 裕志※(環境生物学 海洋無脊椎動物学) miyake@kitasato-u.ac.jp |
教員名 | 内容 |
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三宅 裕志 | 海洋研究機関で研究船での調査航海や様々な無脊椎動物の分類や生態研究 をおこなってきた経験を活かして実験授業を行う。 |
教職課程 | ◯ | 教科及び教科の指導法に関する科目/大学が独自に設定する科目 |
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学芸員養成課程 | ||
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 | ◯ | 必修科目 |
地球上で起こっているいろいろな問題(温暖化、台風の大型化、漁獲量減少、海面上昇など)はいずれも「海洋」と密接に関連し、「海洋」の理解無くしては解決は困難である。本講義では、その「海洋」を生物的・生態的な視点から学ぶことを通して、海洋の役割を理解し、今後私達は海とどのように向き合う必要があるのかを考える基本的な素養を身につけることを目的とする。具体的には、海洋の構造、海水の物理・化学的特性、海水の流動など海洋生物が暮らす環境について最初に解説する。次いで、海洋に生息している多様な植物や動物を概観した上で、これら動植物の生態的特性、被食・捕食関係、海洋での物質循環、水産資源の変動要因、海洋汚染の原因や現状、地球温暖化の理由などについて正しい理解を深める。
◯ A: 多面的思考能力 | ◎ B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◯ C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | ◯ H: 継続的学習能力 |
1 地球の歴史における海洋の誕生
2 海洋の非生物的環境、海洋大循環、潮の流れ
3 植物プランクトンの分類、生態
4 動物プランクトンの分類、生態
5 底生生物の分類、生態、底生生物群集
6 ネクトンの分類、生態と水産海洋学
7 海洋環境と人間活動の関わり
教科書に沿って、補助テキスト、パワーポイント、動画などを使って解説・説明する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | 生物海洋学第2版 | C.M.Lalli&T.R.Persons 監訳:関文威 訳:長沼毅 | 講談社サイエンティフィク | 3,900+税 |
参考書 | 海の科学 | 柳 哲雄 | 恒星社厚生閣 | 1,900+税 |
参考書 | 海洋科学入門-海の低次生物生産過程- | 多田邦尚・一見和彦・山口一岩 | 恒星社厚生閣 | 2,700+税 |
参考書 | 海洋学 原著第4版 | ポール・R・ピネ著 東京大学海洋研究所監訳 | 東海大学出版会 | 5600+税 |
参考書 | 海洋生態学 | 日本生態学会編 担当編集委員 津田敦・海洋生態学 | 共立出版 | 3400+税 |
参考書 | 謎解き・海洋と大気の物理 | 保坂直紀 | 講談社ブルーバックス | 980(税別) |
参考書 | 海洋生物学ー地球を取りまく豊かな海と生態系 | P.V.Mladenov著、窪川かおる訳 | 丸善出版 | 1,080 |
参考書 | 海洋ブラスチック汚染 「プラなし」博士、ゴミを語る | 中嶋亮太著 | 岩波書店 | 1400(税別) |
参考書 | 地球を巡る不都合な物質-拡散する化学物質がもたらすもの- | 日本環境化学会編著 | 講談社ブルーバックス | 1000(税別) |
参考書 | 地球46億年気候大変動 炭素循環で読み解く地球気候の過去・現在・未来 | 横山祐典 | 講談社ブルーバックス | 1200(税別) |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 水、海水の特性、海水の流動要因などについて説明できる。 | 目標BC |
2. 海洋生物を生態学的に分類し、それぞれの生態学的役割について説明できる。 | 目標BC |
3. 海洋における物質循環、エネルギー効率、気象との関係について説明できる。 | 目標BC |
4. 海洋の利用や海洋生物相への人間の影響について説明できる。 | 目標BC |
定期試験 [100%]
評価基準: 試験では到達目標に関連した問題を出題することで、その到達度を評価する。
フィードバックの方法: 答案返却を行う。
「生物海洋学」は環境や海洋生物に関わる2群、3群科目の基礎となる科目です。教科書のほか、参考書のうちどれかひとつを是非購入して、理解に役立てて下さい。
講義テキストは必要に応じて渡しますので、教科書を含めて予習、復習して下さい。
映像や最近の話題などを紹介することにより、解りやすく解説します。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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第1回 | ガイダンス 海洋の地史的変遷 | 講義の目標、授業の進め方、評価基準の説明、地球の歴史における海洋の誕生 【予習】 シラバスの理解、講義全体像の概観、大学入試レベルの生命の起源と進化について復習しておくこと 【復習】 講義概要の整理、地球誕生から原始海洋形成の理解 | 三宅 裕志 |
第2回 | 生物海洋学の基礎知識 非生物的環境 | 海洋環境と海洋生物の分類、専門用語とその概念、生物海学の発展、海水に含まれる元素,水の特性 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおくこと。 【復習】 海水の成分、特性海水の塩分組成、塩分の定義、水の特性(水温,塩分、密度、水圧) | 三宅 裕志 |
第3回 | 非生物的環境:海流、海水の駆動 | コリオリ力、大気の循環、吹送流、エクマン輸送、地衡流、西岸境界流、ラングミュア渦、密度流、熱塩循環(深層大循環)、内部波、引力による潮汐流 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおくこと。 【復習】 コリオリ力の方向、吹送流、エクマン輸送、地衡流、熱塩循環、干満差の理由と頻度 | 三宅 裕志 |
第4回 | 植物プランクトン1 | 植物プランクトンの分類、光合成と一次生産、光と光合成 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの光合成について復習しておくこと 【復習】 植物プランクトンの分類と代表的生物、光合成と環境 | 三宅 裕志 |
第5回 | 植物プランクトン2 | 増殖速度における栄養塩類の影響、一次生産の物理的制限、地球規模での植物プランクトン生産 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの光合成の制限要因について復習しておくこと 【復習】 植物プランクトンの時空間分布が異なる理由と要因、リービッヒの最小律、レッドフィールド比、HNLC海域 | 三宅 裕志 |
第6回 | 動物プランクトン1 | 採集方法 終生プランクトン:分類と生物学的特性、一時プランクトン 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおくこと 【復習】 動物プランクトンの分類と代表的生物、動物プランクトンの役割 | 三宅 裕志 |
第7回 | 動物プランクトン2 | 鉛直分布、鉛直移動、終生プランクトンの動物地理学、動物プランクトン群集構造の長期変動 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおくこと 【復習】 プランクトン群集とその時空間的分布 | 三宅 裕志 |
第8回 | エネルギー流と物質循環1 | 食物連鎖とエネルギー転送、食物網 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの陸上および水圏の食物連鎖・食物網について復習しておくこと 【復習】 環境の違いと食物連鎖・食物網の違い、生食連鎖と微生物ループの関係、エネルギー効率 | 三宅 裕志 |
第9回 | エネルギー流と物質循環2 | 二次生産の測定、海洋と陸上における有機物生産の比較、物質循環 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの生態系とその保全、同化効率、窒素循環、炭素循環について復習しておくこと 【復習】 同化効率、窒素循環、炭素循環、物質生産に関する陸と海の違い | 三宅 裕志 |
第10回 | ネクトンと水産海洋学 | ネクトンの種類、水産業と水産海洋学、栽培漁業 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおくこと 【復習】 ネクトンの分類と代表的生物、漁獲、漁業管理、現存量の変動、栽培漁業 | 三宅 裕志 |
第11回 | ベントス | 底生植物、底生動物、ベントス群集構造を決める要因 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの生物群集と生態系、保全の部分の復習をしておくこと 【復習】 底生区分、ベントスの分類と代表的生物、生物学的特性、採集法、ベントス群集構造を決める要因、幼生分散 | 三宅 裕志 |
第12回 | 底生生物群集1 | 潮間帯、岩礁域、海中林、砂浜 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの生物群集と生態系、保全の部分の復習をしておくこと 【復習】 上記それぞれの生物群集の違いとその理由 | 三宅 裕志 |
第13回 | 底生生物群集2 | 河口域、サンゴ礁、マングローブ、深海 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの生物群集と生態系、保全の部分の復習をしておくこと 【復習】 上記それぞれの生物群集の違いとその理由 | 三宅 裕志 |
第14回 | 海洋生物相への人間の影響1 | 漁業への影響、海洋汚染(重金属、原油、海洋ゴミ・マイクロプラスチック、富栄養化) 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの生物群集と生態系、保全の部分の復習をしておくこと 【復習】 大気汚染、海洋汚染、地球温暖化、海ゴミ | 三宅 裕志 |
第15回 | 海洋生物相への人間の影響2 | 海洋生物の移入と移動、個別の海洋環境への影響 【予習】 教科書の実施項目に関する部分を読んでおき、大学入試レベルの生物群集と生態系、保全の部分の復習をしておくこと 【復習】 外来種問題、河口域、マングローブ、サンゴ礁など個別の場所における環境問題 | 三宅 裕志 |
定期試験 |