英文名 | Organic Chemistry | |
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科目概要 | 海洋生命科学科2年前期(前半) [(15コマ)]、2群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●安元 剛(応用生物化学 資源化学) yasumoto@kitasato-u.ac.jp |
教職課程 | ◯ | 教科及び教科の指導法に関する科目/大学が独自に設定する科目 |
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学芸員養成課程 | ||
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 |
有機化合物の構造と機能の関係を知ることは、生命現象を分子レベルで理解しようとする現代の生命科学のみならず、日々の生活や環境保全においても重要である。本講義では有機化学の基本的な考え方を習得させることで、化学の目から生命現象を捉える基礎能力を涵養する。また、有用な化学情報を収集するための基礎知識の獲得を図る。
A: 多面的思考能力 | ◎ B: 自然科学の基礎知識・理解 | C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | H: 継続的学習能力 |
1. 有機化学とは何か
・有機化学とは
・海の生物がつくる有機化合物
2. 構造と結合
・原子の構造
・化学結合の性質
・ケクレ構造式
・形式電荷
3. 共鳴
・曲がった矢印を書く時の決まり
・重要な共鳴構造
4. 極性共有結合
・極性と誘起効果
5. 酸と塩基
・Brønsted–Lowry の定義
・酸の強さ
・Lewisの酸と塩基
6. 酸の強さと電荷の安定性
・共役塩基
・電荷の安定性に寄与する因子(原子,共鳴,誘起,軌道)
・反応機構と曲がった矢印
7. 立体配座
・アルカンの立体配置(ニューマンの投影式)
・シクロアルカンの立体配座(ひずみ)
8. シクロヘキサンの立体配座
・いす形配座
・環反転
・舟型配座
9. 立体配置
・キラリティーと対称面
・キラル分子のキラル中心
・光学活性
10.立体中心の立体配置を決める
・R,S表記法
・順位則
・ジアステレオマー
・D,L表記法
11. アルケン
・不飽和度
・アルケンにおけるE,Z 命名法
12. 二重結合の共役と分子軌道論
・二重結合の共役
・分子軌道論(HOMO,LUMO)
・電磁スペクトルと分光法
13. 赤外分光法(IR)
・振動励起
・IRスペクトル
・IRスペクトルの解析
14. 核磁気共鳴NMR分光法
・化学的等価,化学シフト,多重度,積分
・プロトンNMRと13C-NMR
15. 生体分子
炭水化物
アミノ酸、ペプチド、タンパク質
脂質と核酸
講義と演習問題によって進める.偶数回終了後に小テストを実施する.また,最終回に総合的な練習問題により全体を振り返る
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | HGS分子構造模型 A型セット ※教科書販売で購入可 | 丸善出版 | 1,600+税 | |
教科書 | 困ったときの有機化学 上 | D.R. クライン (著), David R. Klein (原著), 竹内 敬人 (翻訳), 山口 和夫 (翻訳) | 化学同人 | 2,970 |
教科書 | 配布資料あり | |||
参考書 | 困ったときの有機化学 下 | D.R. クライン (著), David R. Klein (原著), 竹内 敬人 (翻訳), 山口 和夫 (翻訳), 木原伸浩(訳) | 化学同人 | 2,700 |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 有機化合物をつくる結合について説明できる。 | 目標B |
2. 有機化合物の主な官能基を列挙し、それぞれの特徴について述べることができる。 | 目標B |
3. 簡単な有機化合物を命名できる。 | 目標B |
4. 異性体について説明できる。 | 目標B |
5. 構造式からおよその性質を推測できる。 | 目標B |
6. 身の回りの有機化合物を正しく認識できる。 | 目標B |
小テスト(授業毎に行います) [20%]
定期試験 [80%]評価基準: 小テストの答え合わせは授業中に行い,正しい解答が記述されていることと,課題の提出回数で評価します。小テストの点数と定期試験の結果を合わせて評価します。小テスト,定期テストともに有機化合物をケクレ構造式で表記できることを前提に,基本的な有機化学の知識を問います。
フィードバックの方法: 答案を返却し、解説を行う。
参考書の購入は必須ではありませんが,授業の理解するのに大いに役立ちます。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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第1回 | 有機化学とは何か ・有機化学とは ・海の生物がつくる有機化合物 | 講義方針を理解し、修得に必要な基礎事項を理解する 有機化学とはどのような学問かを理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて有機化学とはなにかを自分で調べ考える | 安元 剛 |
第2回 | 構造と結合 ・原子の構造 ・化学結合の性質 ・ケクレ構造式 ・形式電荷 | 原子の構造と化学結合の性質を理解する ケクレ構造式で化合物を書けるようになる 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて,様々な有機化合物のケクレ構造式を自分で書いてみる | 安元 剛 |
第3回 | 共鳴 ・曲がった矢印を書く時の決まり ・重要な共鳴構造 | 共鳴について理解する 曲がった矢印を用いて共鳴体を書けるようになる 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて共鳴について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第4回 | 極性共有結合 ・極性と誘起効果 | 極性共有結合を理解しする 極性と誘起効果を理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて有機化合物の極性について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第5回 | 酸と塩基 ・Brønsted–Lowry の定義 ・酸の強さ ・Lewisの酸と塩基 | 有機化学における酸と塩基の定義を理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて酸と塩基について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第6回 | 酸の強さと電荷の安定性 ・共役塩基 ・電荷の安定性に寄与する因子(原子,共鳴,誘起,軌道) ・反応機構と曲がった矢印 | 酸の共役塩基について理解する 共役塩基の電荷の安定性について理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて酸の共役塩基について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第7回 | 立体配座 ・アルカンの立体配置(ニューマンの投影式) ・シクロアルカンの立体配座(ひずみ) | アルカンの立体配座をニューマンの投影式を用いて説明できるようになる 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえてニューマンの投影式について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第8回 | シクロヘキサンの立体配座 ・いす形配座 ・環反転 ・舟型配座 | シクロヘキサンのいす形配座を理解し書けるようになる 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえていす形配座について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第9回 | 立体配置 ・キラリティーと対称面 ・キラル分子のキラル中心 ・光学活性 | 分子のキラリティーとキラル中心を理解できるようになる 光学活性について理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて立体中心について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第10回 | 立体中心の立体配置を決める ・R, S表記法 ・順位則 ・ジアステレオマー | 分子の立体中心のR, S配置を決められるようになる ジアステレオマーを理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえてR, S配置とジアステレオマーについて自分で調べ考える | 安元 剛 |
第11回 | アルケン ・不飽和度 ・アルケンにおけるE,Z 命名法 | 分子の不飽和について理解する E,Z命名法を理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて分子の不飽和度について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第12回 | 二重結合の共役と分子軌道論 ・二重結合の共役 ・分子軌道論(HOMO,LUMO) ・電磁スペクトルと分光法 | 二重結合の共役を理解する 分子軌道論と分光法を理解する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて共役二重結合について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第13回 | 赤外分光法(IR) ・振動励起 ・IRスペクトル ・IRスペクトルの解析 | 赤外分光法を簡単に説明できるようになる 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえてIR分光法について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第14回 | 核磁気共鳴NMR分光法 ・化学的等価,化学シフト,多重度,積分 ・プロトンNMRと13C-NMR | NMR分光法について簡単に説明できるようになる 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえてNMR分光法について自分で調べ考える | 安元 剛 |
第15回 | 炭水化物 アミノ酸、ペプチド、タンパク質 脂質と核酸 | 重要な生体分子である炭水化物、アミノ酸、脂質、核酸などの構造と性質を学習する 【予習】 事前にシラバスと参考書に目を通しておく 【復習】 講義内容を踏まえて生体分子の化学構造について自分で調べ考える | 安元 剛 |
(定期試験) |