英文名 | Invertebrate Zoology | |
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科目概要 | 海洋生命科学科2年前期(後半) [(15コマ)]、2群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●広瀬 雅人(環境生物学 海洋無脊椎動物学) mhirose@kitasato-u.ac.jp |
教職課程 | ◯ | 教科及び教科の指導法に関する科目/大学が独自に設定する科目 |
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学芸員養成課程 | ◯ | 本学が指定する授業科目 |
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 | ◯ | 必修科目 |
地球上に生きる生物の95%以上を占める無脊椎動物のほとんど全ての動物門が海に生息している。これら無脊椎動物の起源、分類、系統関係について解説する。 また、それぞれの動物門について、その動物門に特徴的な形態、構造、機能、生活史の多様性を、摂餌(消化)・酸素と栄養の供給(循環)・老廃物処理(排出)・繁殖(生殖・発生)などの観点から解説する。これらを通じて多様な無脊椎動物について理解を深めさせる 。また、分類学の内容と意義についても解説し、基礎科学の社会的役割について理解を深めさせる。
◯ A: 多面的思考能力 | ◎ B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◯ C: 専門分野の知識・技術 | ◯ D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | ◯ H: 継続的学習能力 |
1.生命誕生の歴史:生物の誕生と進化
2.無脊椎動物とは?:無脊椎動物の多様性と分類
3.海綿動物門・平板動物門:単細胞から多細胞へ
4.刺胞動物門・有櫛動物門:動物における神経の発達
5.扁形動物門・腹毛動物門・輪形動物門・毛顎動物門:本格的に動き出した動物たち
6.環形動物門(ミミズ、ゴカイ、ユムシ、ホシムシ)・紐形動物門:細長い動物たち
7.軟体動物門(貝類、イカ、タコ、ウミウシ、ケハダウミヒモ):外套腔と貝殻、歯舌をもつ動物たち
8.苔虫動物門・腕足動物門・箒虫動物門・内肛動物門:繊毛の生えた触手をもつ動物たち
9.節足動物門(特に甲殻類)・緩歩動物門:外骨格と付属肢をもつ動物たち
10.動吻動物門・鰓曳動物門・胴甲動物門・線形動物門:脱皮する砂の隙間の動物たち
11.棘皮動物門(ウニ、ヒトデ、ナマコ、クモヒトデ):五放射相称で水管系をもつ動物たち
12.半索動物門・脊索動物門(ホヤ、サルパ、オタマボヤ、ナメクジウオ):鰓裂や脊索をもつ動物たち
13.無脊椎動物の多様性:多様性の形成と種間関係
14.無脊椎動物の系統:形態学的系統分類と分子遺伝学的系統分類
パワーポイントと配付資料を用いて講義を行う。また、標本や生体も活用して授業を進める。講義内容の理解を深めるための自習支援を目的としたワークシートも配布する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | 水産無脊椎動物学 | 林 勇夫著 | 恒星社厚生閣 | 3,500 |
参考書 | 動物の系統分類と進化 | 藤田敏彦著 | 裳華房 | 2,500 |
参考書 | バイオダイバーシティ・シリーズ5無脊椎動物の多様性と系統 | 岩槻邦男・馬渡俊輔監修,白山義久編集 | 裳華房 | 4,990 |
参考書 | 動物の系統と個体発生 (UPバイオロジー65) | 団 まりな著 | 東京大学出版会 | 1,648 |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 生態系における無脊椎動物の概要、およその種数、位置づけについて説明できる。 | 目標AB |
2. 最低でも8つの無脊椎動物の動物門名、 綱名を列記できる。 | 目標B |
3. 各動物門の特徴および体制を、それぞれに固有の器官の形態や機能を交えて説明できる。 | 目標BD |
4. 動物の系統関係を発生様式、器官形成、体制などから説明できる。 | 目標ACD |
5. 分類学の内容と意義について説明できる。 | 目標ACD |
定期試験 [100%]評価基準: 無脊椎動物の起源や各動物門の特徴を理解し、分類・系統について説明できること。
フィードバックの方法: 達成度確認期間に答案を返却し、解説を行う。
「無脊椎動物学」は海洋生命科学実験Ⅰ、海洋実習と連携しています。さらに4年次の卒業論文のテーマにも深く関わる可能性がありますので、参考書のうちどれかひとつを是非購入して理解に役立てて下さい。配布資料はあくまで学習の導入と捉え、それらを動機として自ら教科書や参考書などの資料に目を通し、講義で解説したことをより深く学ぶことを求めます。
写真やイラスト、動画、標本や生体などを用いることにより、実物を体感しつつ、解りやすく解説する予定です。
オフィスアワーは特に設けません.研究室訪問は常時受け付けています。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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第1回 | 講義の概説・生物の誕生と進化 | 講義目標、到達目標、評価方法の説明。地球上における生物の誕生と進化 【予習】 教科書・参考書・配布資料全体の目通し。無脊椎動物とは? 【復習】 生物の誕生と進化の理解。生物と環境の相互作用の理解 | 広瀬 雅人 |
第2回 | 無脊椎動物の多様性と分類 | 生物の分類、形態、体制、構造と機能、生活史 【予習】 単純な形態の無脊椎動物にはどのようなものがいるのか? 【復習】 無脊椎動物にはどのような動物群がいるのか?それらの特徴や多様性は?分類学とはどのような学問か?種とは? | 広瀬 雅人 |
第3回 | 海綿動物門と平板動物門 | 多細胞への進化、細胞間の認識、単純な無脊椎動物の世界 【予習】 刺胞動物門とは?有櫛動物門とは?それらの違いは? 【復習】 海綿動物門はなぜ動物?平板動物門とはどのような動物? | 広瀬 雅人 |
第4回 | 刺胞動物門と有櫛動物門 | 餌を捕獲して口に運ぶ生物の世界、大型化、餌の捕獲、神経の発達 【予習】 扁形動物門、腹毛動物門、輪形動物門、毛顎動物門とは? 【復習】 刺胞動物門と有櫛動物門の違い、それぞれの特徴、各綱の特徴と違い | 広瀬 雅人 |
第5回 | 扁形動物門と腹毛動物門(吸啜動物)・輪形動物門(担顎動物)・毛顎動物門 | 餌を求めて自ら動いた扁平な多細胞動物 【予習】 環形動物門とは?紐形動物門とは? 【復習】 動くためには何が必要?体のつくりはどう変化した? | 広瀬 雅人 |
第6回 | 【冠輪動物1】環形動物門と紐形動物門(担輪動物1) | 同じ構造を繰り返すことで大型化した動物、リボンのように細長い体をもった動物 【予習】 軟体動物門とは? 【復習】 大型化により体のつくりの何が変化?環形動物と紐形動物の特徴、分類と生活史 | 広瀬 雅人 |
第7回 | 【冠輪動物2】軟体動物門(担輪動物2) | 新しい外骨格を付け加えて成長し、柔らかい体を守った動物 【予習】 苔虫動物門、腕足動物門、箒虫動物門、内肛動物門とは?触手冠とは? 【復習】 軟体動物門全体に共通する特徴は?どのような綱に分類されているか?各綱の特徴と違いは? | 広瀬 雅人 |
第8回 | 【冠輪動物3】苔虫動物門,腕足動物門,箒虫動物門(触手冠動物)・内肛動物門(担輪動物3) | 繊毛が生えた触手冠で水流を起こして餌を集める動物 【予習】 脱皮動物とは?節足動物門、緩歩動物門とは? 【復習】 触手冠動物に共通する特徴とは?腕足動物門と二枚貝の違いは?苔虫動物門と内肛動物門の違いは?群体とは? | 広瀬 雅人 |
第9回 | 【脱皮動物1】汎節足動物(節足動物門(甲殻類)・緩歩動物門) | 多様な環境に適応した動物門、硬い外骨格と付属肢を有し、脱皮を繰り返すことで成長する動物 【予習】 メイオベントスとは?それらの多様性は? 【復習】 節足動物門に共通する特徴とは?多様な形からいくつのグループに分けられているか?それら分けられた各グループの特徴は?節足動物門と緩歩動物門の違いは? | 広瀬 雅人 |
第10回 | 【脱皮動物2】有棘動物(動吻動物門・鰓曳動物門・胴甲動物門)・線形動物門 | 砂や泥の隙間に生息する小さな動物たち 【予習】 棘皮動物門とは?新口動物とは? 【復習】 各動物門の特徴は?それぞれの共通点と相違点は?メイオベントスとは? | 広瀬 雅人 |
第11回 | 【新口動物1】棘皮動物門 | 五放射相称の体と水管系を発達させた動物たち 【予習】 半索動物門とは?脊索動物門(脊椎動物以外)にはどのようなものがいる? 【復習】 棘皮動物門はどのように動くのか?どのような綱に分類されるのか?各綱の特徴と違いは? | 広瀬 雅人 |
第12回 | 【新口動物2】半索動物門・脊索動物門(尾索動物・頭索動物) | 背側に神経が通り、鰓裂や脊索をもつ動物たち、我々に最も近い無脊椎動物 【予習】 各動物門のまとめ。特徴となる形質や相違点など。生活様式。 【復習】 ギボシムシやホヤが脊椎動物に近いとされる理由は?新口動物とは? | 広瀬 雅人 |
第13回 | 無脊椎動物の多様性 | 無脊椎動物の分類と多様性、多様性の形成と種間関係 【予習】 無脊椎動物のお互いの関係性を考える。系統分類学とは?分子系統解析とは? 【復習】 無脊椎動物と環境との関係、無脊椎動物の種間関係について考える。 | 広瀬 雅人 |
第14回 | 無脊椎動物の系統 | 個体発生と系統発生(前口動物・後口動物)、形態学的系統分類と分子遺伝学的系統分類 【予習】 これまでの総復習。各動物門のおさらい。分類学と系統分類学。 【復習】 系統分類学はどのように変化してきたか?分子系統解析の強みと問題点は? | 広瀬 雅人 |
(定期試験) | |||
第15回 | 達成度確認 | 試験問題の解説と復習 【予習】 これまでの講義内容の整理 【復習】 理解不足の点を復習 | 広瀬 雅人 |