英文名 | Aquatic Ethology | |
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科目概要 | 海洋生命科学科2年後期(後半) [(8コマ)]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間) | |
必要授業 時間外学習 | 30時間 | |
担当者 | ●佐藤 克文※ 坂本 健太郎 福岡 拓也 吉田 誠 |
教員名 | 内容 |
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佐藤 克文 | 南極で実施したアデリーペンギンとウェッデルアザラシの調査中に撮影した画像は、授業中に学生たちの興味を喚起することに役立っている。大学における授業以外に、一般市民や学童相手の講演を年に10回前後行っている。 |
教職課程 | ||
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学芸員養成課程 | ◯ | 本学が指定する授業科目 |
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 |
動物行動学とは何か、その歴史と目指している目標や、重要な概念を理解してもらう。水生動物行動学が考えなければならない陸上(空中)と水中の環境の違いを把握した上で、水生動物の行動の特徴を考えてもらう。水生動物を対象とした研究を行うための方法や得られた研究成果について、背景となる理論も含めて説明できるようになってもらう。
A: 多面的思考能力 | ◯ B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◎ C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | H: 継続的学習能力 |
1973年にノーベル医学生理学賞を受賞したニコ・ティンバーゲンとコンラート・ローレンツは、動物行動学Ethologyの創始者といわれている。ティンバーゲンの受賞対象はトゲウオの本能に起因する行動で、水生動物は行動学における重要な対象動物であった。ところが、その後の研究の発展においては陸生動物に大きく後れをとった。その最大の要因として、多くの水生動物の行動観察がほぼ不可能であることがあげられる。最近の技術革新により、水生動物の行動や生理、周辺環境を把握するための各種小型装置が生まれた。また、水生動物の社会の研究は1970年代より始まり、陸生動物のそれに30年ほど遅れてきたが、観測機器の発達、分析方法の発展により多くの知見が得られつつある。これらを背景に、水生動物行動学は新たな時代に突入した。本授業では、行動学の歴史的過程から水生動物を対象とした最新の研究成果までを紹介することで、水生動物行動学に関する基礎知識の習得を図る。
本授業はオムニバス形式で行う。講義はパワーポイントによるスライド表示と、配付するプリントを使用して行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | サボり上手な動物たち | 佐藤克文・森阪匡通 | 岩波書店 | 1,575 |
参考書 | ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ | 佐藤克文 | 光文社 | 840 |
参考書 | 巨大翼竜は飛べたのか | 佐藤克文 | 平凡社新書 | 900 |
参考書 | 動物たちの不思議に迫るバイオロギング | 日本バイオロギング研究会編 | 京都通信社 | 1,905 |
参考書 | 野生動物は何を見ているのか | 佐藤・中村・青木・渡辺 | 丸善プラネット | 1,500 |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 動物の行動に関する「ティンバーゲンの4つの疑問」を理解できる。 | 目標C |
2. 水生動物の行動解析方法を解説できる。 | 目標BC |
3. 動物の群れや社会の定義について解説できる。 | 目標BC |
4. 動物の社会行動の様式・種類や機能、それらを明らかにする方法を解説できる。 | 目標C |
定期試験 [100%]評価基準: 到達目標に達しているかを評価の基準とする。
フィードバックの方法: 答案を返却する。
本科目には特定の教科書はないので、聴講者には参考図書をよく読んで、理解を補う努力をしてもらいます。
授業中に資料を配布します。空欄を埋めてより充実した講義ノートを作成してください。
オフィスアワーは特に設けません。代わりにメールによる質問は常時受け付けます。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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1 | 行動研究の歴史 | 動物行動学が目指していること、鍵刺激、包括適応度、進化の主体、ティンバーゲンの4つの問い 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 所々が空白になっている資料を配付するので、授業を集中して聴いて穴を埋め、資料を完成してもらいます。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 佐藤 克文 |
2 | 水生動物行動学とは | バイオロギング、陸上と水中の環境の違いがもたらす水生動物の行動、浮力に対応した遊泳・潜水行動について 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 所々が空白になっている資料を配付するので、授業を集中して聴いて穴を埋め、資料を完成してもらいます。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 佐藤 克文 |
3 | 高次捕食者がもたらす共存 | トップダウンコントロール、種間関係 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 所々が空白になっている資料を配付するので、授業を集中して聴いて穴を埋め、資料を完成してもらいます。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 佐藤 克文 |
4 | 体温生理 | 内温性、外温性、Q10、断熱の仕組み、対向流熱交換機構 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 授業で用いる資料を配付するので、よく読んで復習すること。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 坂本 健太郎 |
5 | 潜水生理 | 潜水徐脈、酸素を蓄える仕組み、海生哺乳類、ミオグロビン、潜水行動の種差 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 授業で用いる資料を配付するので、よく読んで復習すること。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 坂本 健太郎 |
6 | 行動生理 | 体温の違いが行動にもたらす違い、潜水行動中の体の仕組み 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 所々が空白になっている資料を配付するので、授業を集中して聴いて穴を埋め、資料を完成してもらいます。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 坂本 健太郎 |
7 | 採餌生態 | 摂餌と採餌の違い、食性の調べ方、餌選択、最適採餌理論、限界値の定理、捕食回避、爬虫類 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 所々が空白になっている資料を配付するので、授業を集中して聴いて穴を埋め、資料を完成してもらいます。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 福岡 拓也 |
8 | 回遊生態 | 回遊生態、ナビゲーションメカニズム、遊泳行動とコスト 【予習】 シラバスをよく読んでおくこと 【復習】 所々が空白になっている資料を配付するので、授業を集中して聴いて穴を埋め、資料を完成してもらいます。さらに、参考図書を読んで理解を補う努力をしてもらいます。 | 吉田 誠 |