英文名 | Marine Biological Chemistry | |
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科目概要 | 海洋生命科学科3年前期(前半) [(15コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●高田 健太郎(応用生物化学 生物化学) ktakada@kitasato-u.ac.jp |
教職課程 | ◯ | 教科及び教科の指導法に関する科目/大学が独自に設定する科目 |
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学芸員養成課程 | ||
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 |
海洋生物に含まれるタンパク質、脂質、糖質、色素、エキス成分、臭気成分など種々の生体分子の特性と機能を、陸上生物のそれらと比較しながら解説する。加えて海洋生物が保有する自然毒および生物活性物質についての知識を習得することを通じて、海洋生物の生物資源としての特性の理解を促す。また、海洋生物の生化学に関連する先端研究について、その概要と実験技術についての知識を習得することで、実践的かつ統合的な理解を促す。
A: 多面的思考能力 | ◯ B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◎ C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | H: 継続的学習能力 |
1. 海洋生物の生体分子
・ガイダンス
・海洋生物の生体分子の概要
2. タンパク質
・筋肉を構成するタンパク質
・筋収縮のメカニズム
・その他のタンパク質
3. 色素
4. 脂質
5. エキス成分
6. 臭気成分
7. 糖質
8. 自然毒と生理活性物質
・フグ毒と麻痺性貝毒
・その他の海洋生物毒、生物活性物質
9.海洋生物の生化学関連の先端研究
講義と質疑応答によって進める。随時、理解を促すための小課題を課す。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | 水圏生化学の基礎 | 渡部終五 編 | 恒星社厚生閣 | 3800円 + 税 |
教科書 | 水産利用化学の基礎 | 渡部終五 編 | 恒星社厚生閣 | 3800円 + 税 |
参考書 | (なし) |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 海洋生物のタンパク質、脂質、炭水化物、色素、エキス成分、臭気成分などの生体分子を列挙し、それらの特性と機能を解説できる | 目標B |
2. 海洋生物の筋肉タンパク質の特性を理解し、筋収縮のメカニズムについて説明できる | 目標B |
3. 貝毒やフグ毒、シガテラ毒など、海洋生物に特有の自然毒を列挙し、その概要を説明できる | 目標C |
4. 海洋生物の生化学に関する先端研究の概要を具体的に説明できる | 目標C |
定期試験 [100%]評価基準: 海洋生物の生命現象における各生体分子の機能を正しく理解し、特性の概要を説明できる。
フィードバックの方法: 達成度確認の授業において、詳細な解説を配付するとともに口頭でも解説する。
種々の生体分子が海洋生物の体内でどのように機能しているのか、に焦点をあてて授業を行います。
2年次の各必修科目の学習内容を広範囲に理解していることが前提となります。特に「生化学」「有機化学」「代謝生化学」の3科目については、十分な復習が必要です。
授業後に質問や感想を記入できるコメントシートを任意で提出できます。提出された質問は次回の授業時に解説します。
オフィスアワーは特に設けません。質問はメールでも受けつけます。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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1 | 概論 | 授業の概要・評価方法を理解するとともに、海洋生物に特徴的な生体分子の概略を理解する。 【予習】 シラバスに目を通しておくこと 【復習】 海洋生物の生物資源としての特性と生物活性物質の特徴について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
2 | 水生生物の生体成分 | 魚類や水生生物のタンパク質および生物資源としての特性を理解する 【予習】 生化学で学んだアミノ酸、脂質について復習しておくこと 【復習】 水生生物の生物資源としての特性について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
3 | 水生動物の筋肉組織の特徴と筋収縮のメカニズム | 平滑筋・横紋筋、魚類の普通筋・血合筋(速筋・遅筋)の特徴と役割を解説する。また筋収縮のメカニズムを筋肉を構成するタンパク質の性状と共に解説する。 【予習】 教科書中の「平滑筋」「横紋筋」「普通筋」「血合筋」および 「筋肉を構成するタンパク質」に関する記述に目を通しておくこと 【復習】 水生動物の筋肉組織の特徴と筋収縮について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
4 | 海洋生物に含まれる特徴的なタンパク質 | 海洋生物に含まれるタンパク質のうち、機能を持って利用されている蛍光タンパク質や不凍タンパク質について解説する。また、海洋生物由来のタンパク質に関連した先端研究を解説する。 【予習】 蛍光タンパク質が発見された経緯と、生命科学でどのように利用されているかを予習すること 【復習】 蛍光タンパク質や不凍タンパク質について、得た知識を取りまとめておく | 高田 健太郎 |
5 | 海洋生物の色素 | 水生生物の持つヘムタンパク質、胆汁色素、カロチノイド、クロロフィルなどの色素成分について理解する 【予習】 生化学で学んだミオグロビン、ヘモグロビン、胆汁色素、カロチノイド、クロロフィルについて復習しておくこと 【復習】 水生生物の色素とその役割について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
6 | 色素発現のメカニズム | 色素として機能する化合物の化学構造から、色が発現するメカニズムについて理解する。また、色素に関連した先端研究を解説する 【予習】 有機化学で学んだ有機化合物の基本的な官能基について復習しておくこと 【復習】 色の発現と化学構造との関係についてまとめておく | 高田 健太郎 |
7 | 含窒素エキス成分-1 | 水生生物の持つ含窒素エキス成分とその役割について理解する 【予習】 教科書のベタイン、核酸関連成分に関する記述に目を通しておく 【復習】 授業内容、特に生鮮度判定の指標となるK値について復習しておく | 高田 健太郎 |
8 | 含窒素エキス成分-2 | 遊泳力の高いカツオなどの赤身魚の高濃度で含まれるイミダゾール関連成分とその機能について理解する。 また、講義に関連した先端研究の概要を理解する 【予習】 ヒスチジン、ヒスタミン、イミダゾールペプチドについて調べておくこと 【復習】 イミダゾール関連成分に関する取りまとめ | 高田 健太郎 |
9 | 窒素を含まないエキス成分 | 生体内に存在する窒素を含まないエキス成分の特性について理解する 【予習】 解糖系、TCAサイクルを構成する有機酸について調べておくこと 【復習】 窒素を含まないエキス成分の機能について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
10 | 水生生物に含まれる糖質 | 水生動植物の持つ糖質について理解する 【予習】 教科書中のデンプン、セルロース、グリコーゲン、寒天、マンナン、カラゲナン、フコイダン、グルコサミンに関する記述に目を通しておくこと 【復習】 水生生物の炭水化物の特徴および機能について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
11 | 臭気成分と窒素代謝 | 水生生物に固有の臭気をもたらす揮発性生体成分について理解する 【予習】 窒素代謝に関する基本的な情報を取りまとめておく 【復習】 トリメチルアミン、アンモニア、低分子有機酸など臭気成分と代謝に関して取りまとめておく | 高田 健太郎 |
12 | 脂質 | 水生生物の持つ脂質の特徴について理解する 【予習】 教科書の中性脂質、胆汁酸(ステロイド)等、脂質に関する記述に目を通しておくこと 【復習】 水生生物の脂質の特徴について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
13 | フグ毒と麻痺性貝毒 | 海洋生物の持つ、フグ毒、麻痺性貝毒などの代表的な海産毒の概要について理解する 【予習】 教科書のフグ毒、麻痺性貝毒、下痢性貝毒、記憶喪失性貝毒およびシガテラに関する記述に目を通しておく 【復習】 代表的な海産毒の化学構造と諸性状、分布について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
14 | 海洋生物由来の生物活性物質 | 海洋生物から発見されている生物活性物質(海洋天然物)のうち、代表的な化合物の性状、作用機序、開発の歴史について理解する 【予習】 教科書の海洋生物由来の生物活性物質に関する記述に目を通しておく 【復習】 代表的な海洋天然物の化学構造と諸性状、作用機序について取りまとめておく | 高田 健太郎 |
定期試験 | |||
15 | 理解度確認 | 試験結果公表(テスト返却)、答え合わせと解説 【予習】 定期試験での疑問点を整理しておくこと 【復習】 理解度が不足している部分を復習し、確認しておく | 高田 健太郎 |