英文名 | Behavioral Physiology of Fish | |
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科目概要 | 海洋生命科学科3年後期(後半) [(8コマ)]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間) | |
必要授業 時間外学習 | 30時間 | |
担当者 | ●阿見彌 典子(増殖生物学 水族生理学) namiya@kitasato-u.ac.jp |
魚類の生理および生態を理解する上で、行動を観察することは重要である。また、行動習性に関する知見は、漁獲効率の向上や資源保護の促進など水産増養殖に応用される。本講義では魚類が生息する水中環境の特性と、それにともない特殊化した魚類の行動の意味を、生理機構と関連づけて理解することを目的とする。
A: 多面的思考能力 | B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◎ C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | H: 継続的学習能力 |
行動と脳・神経系、魚類の情動行動ー摂餌、睡眠、繁殖、魚類の学習行動、学習と適応、水産増養殖への応用
講義、板書、スライドおよび配布資料を併用して進める
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 増補改訂版 魚類生理学の基礎 | 会田 勝美 | 恒星社厚生閣 | 3,990 |
参考書 | 魚類生態学の基礎 | 塚本 勝巳 | 恒星社厚生閣 | 4,725 |
参考書 | ホルモンから見た生命現象と進化シリーズII | 天野勝文・田川正朋 | 裳華房 | 2,700 |
参考書 | ホルモンから見た生命現象と進化シリーズIII | 伊藤道彦・高橋明義 | 裳華房 | 2,592 |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 知識・技能:行動発現における脳の役割を理解し説明できる。 | 目標C |
2. 知識・技能:魚類の行動と内分泌機構の関わりを理解し説明できる。 | 目標C |
3. 知識・技能:魚類の行動の特殊性と多様性を理解し説明できる。 | 目標C |
4. 思考・判断・表現:魚類の行動の基礎的な解析方法を理解し説明できる。 | 目標C |
5. 関心・意欲:水産増養殖分野における魚類行動生理学の重要性を理解し説明できる。 | 目標C |
レポート [100%]評価基準: 魚類の行動の特殊性および多様性を理解し、水産分野を含む社会への貢献に繋げることができていること(独自性を重視)。また、行動発現のメカニズムを理解した上で、簡単な行動実験を提案できていること。
フィードバックの方法: レポートにコメント等を入れる、または達成度確認にてポイントを詳細に説明する。
質問等はメールでも受け付けます。
魚類行動生理学の受講には、2年次必修科目の「解剖生理学」および「水族生理学」の学習内容を理解していることが前提となります。復習をして講義に臨むことを勧めます。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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1 | 行動とは何か? | ・行動発現のメカニズム ・行動と脳・神経系との関わり 【予習】 魚類の脳および神経系(解剖生理学・水族生理学)について復習 【復習】 環境要因-脳・神経系-行動との関連性を整理 | 阿見彌 典子 |
2 | 魚類の情動行動-採餌と摂餌 | ・感覚器の役割 ・食性 ・捕食と被食 ・摂食調節システム 【予習】 魚類の嗅覚・味覚、内分泌系(解剖生理学・水族生理学)について復習 【復習】 最適採餌理論、環境要因と摂餌行動発現のメカニズムとの関連性を整理 | 阿見彌 典子 |
3 | 魚類の情動行動-睡眠 | ・行動の日周リズム ・魚類の睡眠 ・リズム形成に関わるホルモン 【予習】 生物リズムとは何か(解剖生理学・水族生理学)について復習 【復習】 日周リズムが魚類の行動に与える影響とその多様性について整理 | 阿見彌 典子 |
4 | 魚類の情動行動-繁殖 | ・繁殖特性 ・回遊の必要性と内分泌機構の変化 【予習】 魚類の性成熟、浸透圧調節(解剖生理学・水族生理学)について復習 【復習】 魚類の繁殖特性の多様性および回遊の解発メカニズムと回遊行動の進化について整理 | 阿見彌 典子 |
5 | 魚類の学習行動 | ・魚類の学習能力(魚群行動、忌避行動、自発摂餌) 【予習】 魚類の感覚(解剖生理学・水族生理学)、日周リズム(第3回目の講義)について復習 【復習】 魚類の学習に関わる器官、学習行動の社会への応用性を整理 | 阿見彌 典子 |
6 | 魚類の適応行動 | ・環境適応による行動変化 【予習】 魚類の感覚(解剖生理学・水族生理学)、採餌・摂餌行動(第2回の講義内容)の復習 【復習】 魚類の環境適応について整理 | 阿見彌 典子 |
7 | 水産増養殖への応用 | ・魚類行動生理学の水産分野(社会)への応用の可能性を探る 【予習】 これまでの講義内容の復習 【復習】 魚類行動生理学に関する知識の応用性を理解し整理 | 阿見彌 典子 |
8 | 達成度確認 | ・レポートの返却と解説 【予習】 疑問点の整理 【復習】 理解不足な点の確認と修正 | 阿見彌 典子 |