Web Syllabus(講義概要)
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海洋分子内分泌学(MB301-AC11)
英文名Molecular Endocrinology on Marine Animals
科目概要海洋生命科学科3年前期(前半) [(8コマ)]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間)
必要授業
時間外学習
30時間
担当者●水澤 寛太(増殖生物学 魚類分子内分泌学) mizusawa@kitasato-u.ac.jp
阿見彌 典子(増殖生物学 水族生理学) namiya@kitasato-u.ac.jp

授業の目的

多細胞生物が生まれ、その構造が複雑化していくにつれて、さまざまな細胞・組織・器官を調和させるシステムとして内分泌系もまた発達してきた。内分泌系は、成長、成熟、環境応答などあらゆる生命現象の調節に関わる。海洋生物の生理機能を研究する上で、内分泌系の理解は欠かせない。本講義では多様なホルモンと受容体から構成される内分泌系の概略を理解するとともに、魚類におけるホルモンの多様な機能を通じて,海洋環境への適応に内分泌系が果たす役割を学ぶ。

学習・教育目標との対応

◯ A: 多面的思考能力◎ B: 自然科学の基礎知識・理解◯ C: 専門分野の知識・技術    D: 問題解決能力
    E: 実務能力    F: コミュニケーション能力    G: 技術者倫理    H: 継続的学習能力

授業の内容

1.内分泌現象の多様性
・ホルモンの多様性
・ホルモンの分泌調節
・ホルモン受容体の多様性
2.魚類のホルモン
・脳および脳下垂体で産生されるホルモン
・プロオピオメラノコルチン由来ペプチドとメラニン凝集ホルモン
・メラトニン、オレキシン、レプチン
3.水圏環境と内分泌

授業の方法

スライドと配付資料を用いて講義する。

教材

種別書名著者・編者発行所値段(円)
教科書(なし)
参考書ホルモンから見た生命現象と進化シリーズⅠ 比較内分泌学入門―序―和田 勝 著裳華房2,500+税
参考書多様性の内分泌学竹井祥郎・溝口明 著丸善出版5,500+税
参考書増補改訂版 魚類生理学の基礎会田勝美・金子豊二 編恒星社厚生閣3,800+税
参考書魚類学矢部衛・桑村哲夫・都木靖彰 編恒星社厚生閣4,500+税
教科書
署名
著者・編者
発行所
値段(円)
参考書
署名
ホルモンから見た生命現象と進化シリーズⅠ 比較内分泌学入門―序―
著者・編者
和田 勝 著
発行所
裳華房
値段(円)
2,500+税
参考書
署名
多様性の内分泌学
著者・編者
竹井祥郎・溝口明 著
発行所
丸善出版
値段(円)
5,500+税
参考書
署名
増補改訂版 魚類生理学の基礎
著者・編者
会田勝美・金子豊二 編
発行所
恒星社厚生閣
値段(円)
3,800+税
参考書
署名
魚類学
著者・編者
矢部衛・桑村哲夫・都木靖彰 編
発行所
恒星社厚生閣
値段(円)
4,500+税

学生の到達目標

内容学習・教育目標との対応
1. 内分泌現象の多様性を説明できる。目標ABC
2. 魚類のホルモンのうち、脳および脳下垂体ホルモンの構造と機能を説明できる。目標ABC
3. 魚類ホルモンを題材として、ホルモンの分子進化と構造の多様性を説明できる。目標ABC
4. 魚類の生命現象と環境因子の関係と内分泌学の観点から考察できる。目標ABC

評価方法・評価基準・フィードバックの方法

定期試験[100%]
評価基準:
内分泌現象の概略を説明できること。
魚類の内分泌器官を説明できること。
魚類におけるホルモンの役割を説明できること。
環境と内分泌の関係を説明できること。
フィードバックの方法:達成度確認期間に答案を返却し、講評する。

学習支援情報・その他注意等

1. 参考書「比較内分泌学入門―序―」の2章にはオキシトシンに関する話がまとめられている。 
2. 参考書「多様性の内分泌学」の1章から4章には内分泌現象の多様性に関することが詳しくまとめられている。
3. 参考書「魚類生理学の基礎」の6章と「魚類学」の11章には魚類内分泌系の概略が書かれている。
4. オンラインサポートページにおいて講義スライドの一部を公開する。
5. 水澤の居室は421である。オフィスアワーは特に設けない。質問や意見があればサポートページに投稿することを推奨する。

授業計画

実施項目学習内容と学習課題担当者
1ホルモンとは何か
・オキシトシン
オキシトシンを例にとって、その発見と機能の解明の経緯をたどり、脊椎動物の進化を意識しながらホルモンとは何かを考える。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
水澤 寛太
2内分泌現象の多様性(1)
・ホルモンの多様性
・ホルモンの分泌調節
ホルモンの定義を理解し、さらにホルモンの産生部位・分子構造・産生様式・遺伝子発現調節などの多様性を認識する。
ホルモンの分泌様式と分泌経路、ホルモン分泌のフィードバック制御およびホメオスタシスを理解する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
水澤 寛太
3内分泌現象の多様性(2)
・ホルモン受容体の多様性
ホルモンの作用は受容体と結合することにより発揮されること、ホルモン分子の特性に応じて膜受容体と核内受容体が対応することを学ぶ。細胞内情報伝達機構の性質によってホルモンの作用に多様性が生まれることを学ぶ。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
水澤 寛太
4魚類のホルモン(1)
・脳および脳下垂体で産生されるホルモン
内分泌における脳(視床下部)―脳下垂体系の機能、およびここで産生されるホルモンの作用を理解する。脳下垂体は内分泌系の中心器官であり、ここからのホルモン分泌は視床下部の支配下にあることを学ぶ。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
水澤 寛太
5魚類のホルモン(2)
・メラトニン
メラトニンの分泌は暗期に高くなる日周リズムを示し、日長情報を体内に伝えるホルモンとして知られている。そこで、さまざまな光環境下に適応している魚類を例に挙げ、それらの種のメラトニンの機能がどのように進化しているのかを通して、ホルモン機能の多様性を学ぶ。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
阿見彌 典子
6魚類のホルモン(3)
・オレキシン
・レプチン
オレキシンは摂食を促進、反対にレプチンは摂食を抑制するホルモンである。摂食を調節するホルモンのほとんどは脳内に存在するが、レプチンの主な産生部位は脂肪や肝臓である。そこで、生物にとって重要な摂食を調節する機構を、脳およびそれ以外の組織や器官から分泌されるホルモンとの関連から総合的に理解する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
阿見彌 典子
7魚類のホルモン(4)
・プロオピオメラノコルチン由来ホルモン
・メラニン凝集ホルモン
プロオピオメラノコルチンは黒色素胞刺激ホルモンを含む複数のペプチドホルモンの共通前駆体である。黒色素胞刺激ホルモンとメラニン凝集ホルモンは体色と摂食調節において拮抗してはたらく。この2つのホルモンを題材にして、ホルモンの分子進化と内分泌現象の多様性の関係を理解する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
水澤 寛太
8水圏環境と内分泌
・光環境が魚類内分泌へ及ぼす効果
緑色光はカレイ類の運動と摂餌行動を活性化するが、そのメカニズムははっきりわかっていない。既知の内分泌現象にもとづいて、現時点で考えうるメカニズムを考察する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
水澤 寛太
No. 1
実施項目
ホルモンとは何か
・オキシトシン
学習内容と学習課題
オキシトシンを例にとって、その発見と機能の解明の経緯をたどり、脊椎動物の進化を意識しながらホルモンとは何かを考える。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
水澤 寛太
No. 2
実施項目
内分泌現象の多様性(1)
・ホルモンの多様性
・ホルモンの分泌調節
学習内容と学習課題
ホルモンの定義を理解し、さらにホルモンの産生部位・分子構造・産生様式・遺伝子発現調節などの多様性を認識する。
ホルモンの分泌様式と分泌経路、ホルモン分泌のフィードバック制御およびホメオスタシスを理解する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
水澤 寛太
No. 3
実施項目
内分泌現象の多様性(2)
・ホルモン受容体の多様性
学習内容と学習課題
ホルモンの作用は受容体と結合することにより発揮されること、ホルモン分子の特性に応じて膜受容体と核内受容体が対応することを学ぶ。細胞内情報伝達機構の性質によってホルモンの作用に多様性が生まれることを学ぶ。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
水澤 寛太
No. 4
実施項目
魚類のホルモン(1)
・脳および脳下垂体で産生されるホルモン
学習内容と学習課題
内分泌における脳(視床下部)―脳下垂体系の機能、およびここで産生されるホルモンの作用を理解する。脳下垂体は内分泌系の中心器官であり、ここからのホルモン分泌は視床下部の支配下にあることを学ぶ。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
水澤 寛太
No. 5
実施項目
魚類のホルモン(2)
・メラトニン
学習内容と学習課題
メラトニンの分泌は暗期に高くなる日周リズムを示し、日長情報を体内に伝えるホルモンとして知られている。そこで、さまざまな光環境下に適応している魚類を例に挙げ、それらの種のメラトニンの機能がどのように進化しているのかを通して、ホルモン機能の多様性を学ぶ。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
阿見彌 典子
No. 6
実施項目
魚類のホルモン(3)
・オレキシン
・レプチン
学習内容と学習課題
オレキシンは摂食を促進、反対にレプチンは摂食を抑制するホルモンである。摂食を調節するホルモンのほとんどは脳内に存在するが、レプチンの主な産生部位は脂肪や肝臓である。そこで、生物にとって重要な摂食を調節する機構を、脳およびそれ以外の組織や器官から分泌されるホルモンとの関連から総合的に理解する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
阿見彌 典子
No. 7
実施項目
魚類のホルモン(4)
・プロオピオメラノコルチン由来ホルモン
・メラニン凝集ホルモン
学習内容と学習課題
プロオピオメラノコルチンは黒色素胞刺激ホルモンを含む複数のペプチドホルモンの共通前駆体である。黒色素胞刺激ホルモンとメラニン凝集ホルモンは体色と摂食調節において拮抗してはたらく。この2つのホルモンを題材にして、ホルモンの分子進化と内分泌現象の多様性の関係を理解する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
水澤 寛太
No. 8
実施項目
水圏環境と内分泌
・光環境が魚類内分泌へ及ぼす効果
学習内容と学習課題
緑色光はカレイ類の運動と摂餌行動を活性化するが、そのメカニズムははっきりわかっていない。既知の内分泌現象にもとづいて、現時点で考えうるメカニズムを考察する。

【予習】
・シラバスの熟読
・配付資料の整理
【復習】
・ノート整理
・配付資料の熟読
・参考書の熟読
担当者
水澤 寛太