英文名 | Breeding Biology of Aquatic Organisms | |
---|---|---|
科目概要 | 海洋生命科学科3年前期(前半) [(8コマ)]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間) | |
必要授業 時間外学習 | 30時間 | |
担当者 | ●吉永 龍起(増殖生物学 水族育種生物学) yosinaga@kitasato-u.ac.jp |
人類は古来より様々な農畜産物を遺伝的に改良し, 多くの優良な改良品種を創造してきた. 現在の我々の食生活は, こうした改良品種によって支えられている. 陸上の野菜や家畜などと比較して水生生物における改良品種の歴史はまだ浅いものの, ゲノム編集など新しい技術の開発により効率的な育種が可能となりつつある. 本講義では, 魚介類の遺伝的改良に必要な育種学的な理論と技術を解説し, 増養殖現場で実際に応用できる知識の習得を目的とする.
A: 多面的思考能力 | B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◎ C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | ◯ G: 技術者倫理 | H: 継続的学習能力 |
01. 導入: 育種とは何か?
02. 野生種の飼育から育種実施までの流れ
03. 選抜育種法
04. 交雑育種法
05. マーカー育種法
06. 染色体操作
07. 性の統御
08. 遺伝子導入, ゲノム編集
配布資料およびスクリーン資料を用いた講義によって進める
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
---|---|---|---|---|
教科書 | 配布するプリントを用いる | |||
参考書 | 水産遺伝育種学 | 中嶋正道, 荒井克俊, 岡本信明, 谷口順彦 編 | 東北大学出版会 | 3,500 |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
---|---|
1. 魚介類における育種の必要性・問題点・特徴について, 農畜産業で行われている育種と比較しながら説明することができる | 目標CG |
2. 野生種の飼育から育種実施までの流れについて説明することができる | 目標C |
3. 選抜育種法および交雑育種法について, 実例を挙げながら説明することができる | 目標C |
4. マーカー育種法について実例を挙げながら説明することができる | 目標C |
5. 染色体操作技術の種類, 原理, 作られた生物の特徴について説明することができる | 目標C |
6. 性の統御について説明することができる | 目標C |
7. 遺伝子導入, ゲノム編集について説明することができる | 目標C |
定期試験 (100%)
評価基準: 上記学生の到達目標に達しているか否かを評価する.
フィードバックの方法: 達成度確認期間または別途定めた期間に答案の返却および解説を行う
質問等はメールにて受け付ける.
本講義は, 1 年次の生物学 (体細胞分裂, 減数分裂, DNA, 遺伝子の働き, 発生の細胞機構, 集団における遺伝子), 2 年次の遺伝学, 分子生物学, 動物発生学が基礎となる. これらの科目について, 十分に復習してから受講することを推奨する.
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
---|---|---|---|
第 1 回 | 導入-1: 育種とは何か? | ・講義のねらい, 授業計画, 学生の到達目標, 評価方法 ・品種の利用という面から見た農畜産業と水産業との相違点 [予習] シラバスを熟読して初回の授業に臨む [復習] 配布資料, ノートを用いて, 品種の利用という面から見た農畜産業と水産業との相違点について復習する | 吉永 龍起 |
第 2 回 | 導入-2 | ・農畜産業における品種の例, 養殖魚介類と品種, および水産業において食用品種が少ない理由 ・水産における品種の必要性および水産増養殖に対して育種技術を導入する意義 [予習] 配布資料を熟読し, 農畜産業, 養殖魚介類における品種の例, および水産における品種の必要性等について予習する [復習] 配布資料を用いて, 農畜産業, 養殖魚介類における品種の例, および水産における品種の必要性等について復習する | 吉永 龍起 |
第 3 回 | 野生種の飼育から育種実施までの流れ 選抜育種法 | ・野生種の飼育から育種目標の設定・育種実施までの流れ ・選抜育種の方法, 効果, およびニジマス等における実例 [予習] 配布資料を熟読し, 野生種の飼育から育種実施までの流れおよび選抜育種法について予習する [復習] 配布資料, ノートを用いて, 野生種の飼育から育種実施までの流れおよび選抜育種法について復習する | 吉永 龍起 |
第 4 回 | 交雑育種法 マーカー育種法 | ・交雑育種の方法, 効果, ヘテロシスの意味, およびサケ科魚類等における実例 ・マイクロサテライト DNA マーカー等を用いた育種法およびそれらの実例 [予習] 配布資料を熟読し, 交雑育種法およびマーカー育種法について予習する [復習] 配布資料, ノートを用いて, 交雑育種法およびマーカー育種法について復習する | 吉永 龍起 |
第 5 回 | 染色体操作-1 | ・同質三倍体の特徴と作出原理 ・異質三倍体の特徴とサケ科魚類における実例 [予習] 配布資料を熟読し, 同質・異質三倍体について予習する [復習] 配布資料, ノートを用いて, 同質・異質三倍体について復習する | 吉永 龍起 |
第 6 回 | 染色体操作-2 | ・雌性発生ニ倍体とクローンの作出 ・雄性発生ニ倍体と絶滅種の復活 [予習] 配布資料を熟読し, 雌性・雄性発生ニ倍体について予習する [復習] 配布資料, ノートを用いて, 雌性・雄性発生ニ倍体について復習する | 吉永 龍起 |
第 7 回 | 性の統御 遺伝子導入, ゲノム編集 | ・性の統御 ・遺伝子導入, ゲノム編集 [予習] 配布資料を熟読し, 性の統御と遺伝子導入, ゲノム編集について予習する [復習] 配布資料, ノートを用いて, 雌性・雄性発生ニ倍体について復習する | 吉永 龍起 |
(定期試験) | |||
第 8 回 | 自己点検授業 | ・定期試験答案の返却と問題の解説 [予習] 定期試験の問題に対して, 配布資料, ノートなどを見直して自己採点をしておく [復習] 理解不足な点を理解し, 今後の学習に役立てる | 吉永 龍起 |