英文名 | Marine Ecology | |
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科目概要 | 環境生物学専門分野(修士課程)1~2年次後期、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●朝日田 卓※(環境生物学 魚類生態学) asahida@kitasato-u.ac.jp |
沿岸域は海洋の生物生産の場として重要な位置を占める。また、河川を通じた陸域との関連も深く、それぞれの生態系は物質循環などを通じて互いに密接に関係している。この沿岸域を中心に水圏生態系を構築する生物の役割やその多様性、生態的特徴などを、地球史から海洋構造、生物進化、物質循環、人為的影響に至るまでを学習することによって理解させ、個体群の形成や再生産機構、環境変動に対する適応、資源としての永続的利用に至るまでを考察させる。
地球史と現代の地球観を学び、生物進化と多様性について考察する。また、海洋生態系と水圏生物の特性、資源としての水圏生物の特性とその利用及び管理について学ぶ。さらに、地球環境に対する人為的攪乱とその影響、および環境保全と修復についても様々な資料を用いて学ぶ。学んだ内容について、履修生がまとめてプレゼンテーションを行い、教室全体で論議する。最後に質問や疑問点についての論議と解説を行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | なし | |||
参考書 | 地球生物学 | 池谷仙之・北里 洋 | 東京大学出版会 | 3,000 |
参考書 | 地球学入門 | 酒井治孝 | 東海大学出版会 | 2,800 |
参考書 | 魚類学(上) | 松原喜代松・落合 明・岩井 保 | 恒星社厚生閣 | 4,080 |
参考書 | 魚類学(下) | 落合 明・田中 克 恒 | 恒星社厚生閣 | 9,800 |
参考書 | Marine Biology | P. Castro and M. E. Huber The | The McGraw-Hill Companies, Inc. | |
参考書 | Fishes of the World J. P | J. P. Nelson | John Wiley and Sons, Inc. |
内容 |
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1. 地球史および地球の構造と特性について説明できる |
2. 水圏生態系の構造とその特性について説明できる |
3. 水圏生物の多様性とそれを整理する分類体系について説明できる |
4. 水圏生物の主要構成群である魚類の特性、再生産、環境変動への適応機構について説明できる |
5. 水圏生物の永続的利用を図るために必要な情報と方策について説明できる |
プレゼンテーションとレポート [100%]
評価基準:到達目標への到達度を、上記により評価。
フィードバックの方法:各学生によるプレゼンテーションと質疑応答の後、内容に関する講評と解説を行う。また重要なトピックスについては受講者全員で論議した後、内容へのコメントを行う。
ビデオや写真、PPTを用いて講義を進めます
履修者それぞれに課題を与え、PPTによるプレゼンテーションをしていただきます
オフィスアワーは特に設けませんが、質問等は随時(メール可)受け付けます
【予習】
1-5回と12-13回は、参考書等の精読や各種情報の収集。6-11回と14回は課題のプレゼンテーション準備。15回は、これまでの学習内容をふまえた地球の未来予測と資源の持続的利用のための方策についての考察。
【復習】
1-14回は、学習内容の整理と疑問点の確認。15回はこれまでの学習内容の整理とまとめ。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 |
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1回 | 地球観(主担当:朝日田) | 時間の概念、地球の位置づけ、プレートテクトニクス |
2回 | 地球史①(主担当:朝日田) | 地層と化石、生命の起源、先カンブリア代 |
3回 | 地球史②(主担当:朝日田) | 古生代、中生代、新生代 |
4回 | 生物進化と多様性①(主担当:朝日田) | 生物進化と進化論、水圏生物の系統と分類 |
5回 | 生物進化と多様性②(主担当:朝日田) | 種分化、生物多様性 |
6回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議①(主担当:朝日田) | 地球とは①:水、大気、温度、水と二酸化炭素の循環、時間の概念 地球とは②:地球表層の組成、プレートテクトニクス、プリュームテクトニクス |
7回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議②(主担当:朝日田) | 地球とは③:地球の誕生、海洋と大陸の起源、火山と噴火、地震と断層 地球とは④:大気と海洋の循環、熱収支、エルニーニョ、モンスーン、気候変動 |
8回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議③(主担当:朝日田) | 生命の起源(先カンブリア代まで):酸素の起源、生命の起源、原核生物の出現、細胞内共生、多細胞生物の出現 |
9回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議④(主担当:朝日田) | 生物の進化(古生代-中生代):多細胞生物の大爆発、脊椎動物の出現、海から陸への進出、恐竜の繁栄、生物の大量絶滅 |
10回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議⑤(主担当:朝日田) | 気候変化と生物(新生代):生物地理、日本列島の形成、氷河期、人類の進化 |
11回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議⑥(主担当:朝日田) | 気候変動:太陽放射量の変動、地球軌道の変動、地球からの熱等の放出、テクトニックプロセスの変動、大規模火山活動、ミランコビッチサイクル、安定同位体 |
12回 | 海洋生態系(主担当:朝日田) | 海洋の構造と特性および潮汐、海洋生態系Ⅰ[沿岸域と河口域]、海洋生態系Ⅱ[大陸棚とサンゴ礁]、海洋生態系Ⅲ[外洋と深海] |
13回 | 水圏生物の特性と海洋生物資源(主担当:朝日田) | 個体群動態と再生産機構、生物間相互作用と物質循環、海洋生物資源の特性、資源の利用と管理 |
14回 | 履修生によるプレゼンテーションと論議⑦ (主担当:朝日田) | 海洋生態系の特性:沿岸域と河口域、大陸棚とサンゴ礁、外洋と深海 |
15回 | 人類による環境変化と地球の未来(主担当:朝日田) | オゾン層破壊、砂漠化、化学合成物質による汚染、放射性物質による汚染、地球温暖化、エネルギー問題、資源の持続的利用、地球の未来予測 |