英文名 | Fish Ecology | |
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科目概要 | 環境生物学専門分野(修士課程)1~2年(隔年開講)次2023年度前期、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●朝日田 卓※(環境生物学 魚類生態学) asahida@kitasato-u.ac.jp 林﨑 健一(環境生物学 魚類生態学) ken-ichi@kitasato-u.ac.jp |
魚類とは四肢動物を除く有頭動物の総称であるが、現代の系統分類学ではヒトを含む四肢動物が魚類の一群となっている。これは、我々が魚類の進化の延長線上にあることを示しており、四肢動物が持つ両顎や手足は魚類から受け継いだものであるし、肺も鰾と同じ起源を持つことからも理解できよう。これらのことから、魚類を深く学ぶことは脊椎動物を学ぶことにつながる。また、魚類は水圏生態系の主要な構成員であり、その分布や生息域も極めて広いなど、生物の進化や多様性を理解する上で非常に重要な位置を占める。この魚類を中心に水圏生態系を構成する生物の役割や生態的特徴などを、生態系の構造や生物進化、物質循環、人為的影響などに関連させて学び、個体群の形成や再生産機構、生活史戦略、環境への適応、種分化に至るまでを考察させる。
魚類の歴史を地球史に関連させて学び、生物進化と多様性について考察する。また、生殖、生活史(回遊)、生息環境、種間関係、適応と種分化について学び、脊椎動物の特性を考察する。さらに、資源としての魚類の特性とその利用及び管理についても考察し、魚類生息環境に対する人為的攪乱とその影響、および保全と修復についても論議と考察を行う。
履修生ごとにテーマを与え、それに関する情報収集と分析および考察を行う。学んだ内容について、履修生がPPTにまとめてプレゼンテーションを行い、参加者が論議する。最後に、質問や疑問点についての論議と解説を行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | (なし) | |||
参考書 | 魚類学 | 矢部衛・桑村哲生・都木靖彰 | 恒星社厚生閣 | 4,500 |
参考書 | 魚類学(上) | 松原喜代松・落合 明・岩井 保 | 恒星社厚生閣 | 4,080 |
参考書 | 魚類学(下) | 落合 明・田中 克 | 恒星社厚生閣 | 9,800 |
参考書 | 生物の種多様性 | 岩槻邦男・馬渡峻輔 | 裳華房 | 4,500 |
参考書 | Fishes of the World | J. P. Nelson | John Wiley and Sons, Inc. | |
参考書 | 魚の自然史 | 松浦啓一・宮正樹 | 北海道大学図書刊行会 | 3,000 |
参考書 | 魚類の社会行動1 | 桑村哲生・狩野賢司 | 海遊社 | 2,600 |
参考書 | 魚類の社会行動2 | 中嶋康裕・狩野賢司 | 海遊社 | 2,600 |
参考書 | 魚類の社会行動3 | 幸田正典・中島康裕 | 海遊社 | 2,600 |
参考書 | 魚類環境生態学入門 | 猿渡敏郎 | 東海大学出版会 | 3,800 |
内容 |
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1. 魚類の歴史を地球史と関連付けて説明できる |
2. 魚類の多様性とそれを整理する分類体系について説明できる |
3. 水圏生物の主要構成群である魚類の特性、再生産、生活史、環境への適応、種分化等について説明できる |
4. 魚類を始めとした水圏生物の永続的利用を図るために必要な知見と方策について説明できる |
プレゼンテーションとレポート [100%]
評価基準:到達目標への到達度を、上記により評価。
フィードバックの方法:各学生によるプレゼンテーションと質疑応答の後、内容に関する講評と解説を行う。また重要なトピックスについては受講者全員で論議した後、内容へのコメントを行う。
ビデオや写真、PPTを用いて講義を進めます。
オフィスアワーは特に設けませんが、質問等は随時(メール可)受け付けます。
【予習】1-5回と12-13回は、参考書等の精読や各種情報の収集。6-11回と14回は課題のプレゼンテーション準備。15回は、これまでの学習内容をふまえた地球の未来予測と資源の持続的利用のための方策についての考察。
【復習】1-14回は、学習内容の整理と疑問点の確認。15回はこれまでの学習内容の整理とまとめ。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 |
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第1回 | ガイダンスおよび地球観 | 学習の進め方 地球とは(地球の位置づけ、水の惑星、生きている地球) |
第2-5回 | 地球史と生物 | 生命の起源 先カンブリア代~新生代 生物進化、魚類の系統と分類、生物多様性 |
第6-8回 | 魚類の特性① | 生殖、発育段階、生活史と回遊 |
第9-11回 | 魚類の特性② | 繁殖行動、社会関係、個体群と群集 |
第12-13回 | 魚類の特性③ | 適応と種分化 |
第14回 | 生物資源としての魚類 | 生物間相互作用と物質循環、資源の利用と管理 |
第15回 | 地球と魚類の未来 | 人類による環境変化、地球の未来予測と魚類 |