英文名 | Ethics Education | |
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科目概要 | 海洋生命科学科2年後期 [(15コマ)]、教職課程科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●中野 美昭 |
教職課程 | ◯ | 教育の基礎的理解に関する科目等 |
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学芸員養成課程 | ||
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 |
道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神を踏まえ、自己の生き方や人間としての生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を育成する教育活動である。道徳の意義や原理等を踏まえ、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育及びその「要」となる道徳科の目標や内容、指導計画等を理解するとともに、知識基盤社会において必要とされる自国文化や伝統への深い理解、他国文化への尊重意識の育成及び自己肯定感や自尊意識、思いやる心を育み、国家、社会の責任ある形成者としての参画及び貢献意識の育成が喫緊の課題となっている。その担い手としての道徳教育の果たす役割は多大なものであり、学習指導要領が明示する今後の道徳教育の在り方の理念を今後の子どもたちに浸透させ、理解・認識させていく指導者の育成を図る。
道徳教育の意義や歴史的編纂及び今後の道徳教育の在り方を基に実践例を提示し触れると共に、受講者が主体的に課題について考え、意見をまとめ発表する検証討議を重ね課題解決を図る手法を学ぶ。また、「特別の教科道徳」の教科化のねらいをより具現化するために、講義内容をより今後待ち受けている厳しい社会にも即した実践力向上を目指した内容に深化させる。その目標達成のために、教育基本法及び学習指導要領が明示する「道徳の理論」の習得及びそれらに裏付けされた「道徳の指導法」としての「道徳指導案」の作成、それを基にした「模擬授業」の展開へと講義を発展させ、講義の質を高めると共に受講者の主体的な学びの姿勢を育成する。
多様な学習形態を駆使して、思考力・判断力・表現力を育成する。その具体として受講者の主体的な「学びの姿勢」や「実践力」の体得を目指しグループワークやペアワークを通じて考え、討論、かつ検証・分析、再考、発表を展開し、自分で課題を発見し、課題解決を図っていく「アクティブラーニング」手法を活用することにより講義の目標を達成する。また、フィードバック方法として、次講義において「振り返り」を実施し、標準的な解答を明示すると共に、課題解決を図かる手法について説明する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | 四訂道徳教育を学ぶ人のために | 小寺正一他 | 世界思想社 | 1900円 |
参考書 | 中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編(最新版) | 文部科学省 | 文部科学省WEBサイトに公開 |
内容 |
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1. 道徳の本質(道徳とは何か)を説明できる。 |
2. 道徳教育の歴史や現代社会における道徳教育の課題(いじめ・情報モラル等)を理解している。 |
3. 子供の心の成長と道徳性の発達について理解している。 |
4. 学習指導要領に示された道徳教育及び道徳科の目標及び主な内容を理解している。 |
5. 学校における道徳教育の指導計画や教育活動全体を通じた指導の必要性を理解している。 |
6. 道徳科の特質を生かした多様な指導方法の特徴を理解している。 |
7. 道徳科における教材の特徴を踏まえて、授業設計に活用することができる。 |
8. 道徳科の特性を踏まえた学習評価の在り方を理解している。 |
9. 授業のねらいや指導過程を明確にして、道徳科の学習指導案を作成することができる。 |
10. 模擬授業の実施とその振り返りを通して、授業改善の視点を身に付けている。 |
定期試験(70%)、発表(模擬授業者や講義中の発言)、提出物(学習指導案等)、「振り返りシート」を含む講義への取り組む姿勢や態度(30%)を総合的に評価する。特に、主体的な講義姿勢・態度により道徳性を多角的、多面的に自ら深く考え、課題解決を図かる事が出来ているか。
【フィードバック】
フィードバック方法として、次講義において「振り返り」を実施し、標準的な解答を明示すると共に、課題解決を図かる手法について説明する。
・予習(事前学習):主体的な学びを具現化させるため、事前に配付されたレジュメ・資料を一読しておく。(120分)
・復習(事後学習):「振り返りシート」・「思考表」をファイリングし、既習事項への理解を深め整理する。また、新たな課題については、次講義で質問し講義の質を主体的に高める。(120分)
将来教職に就く者としての自覚を持ち、指導力向上に向け研鑽する。
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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1 | ①オリエンテーション ②道徳とは | ①講義内容の説明=講義のねらいや評価全般」について ②自分が受けてきた道徳教育を振り返り、問題点や課題について考える。 ③道徳とは何か=道徳・倫理・法律との関連について考え、相違点について知る。 | 中野 美昭 |
2 | 道徳教育の歴史及び道徳教育の意義や「在り方」について | ①道徳教育の歴史的変遷を理解する。 ②現代社会における道徳教育の課題解決に向けての在り方について考える。 | 中野 美昭 |
3 | 現代社会における課題(生命・環境・情報倫理)の理解と道徳教育の果たす役割について | ①倫理的課題(生命・環境・情報)に考える。 ②それらの課題解決に関わる道徳教育の役割について考え、討議し現況を理解する。 | 中野 美昭 |
4 | ①道徳性とは ②子どもたちにどう伝え、道徳心を育成していくのか。 | ①道徳性とは。 ②何を学ばせ、どんな心を育成していくのか。 ③発展的(子どもの心身の発達を考慮)、計画的な指導について実践例に基づき理解する。 | 中野 美昭 |
5 | 教育現場における現況と道徳教育の必要性について | ①学校が抱える諸課題について知る。 ②子どもたちの実態(いじめ・不登校・規範意識や自己肯定感の低下)を理解する。 ③課題解決策について考え・討議する。 | 中野 美昭 |
6 | 学習指導要領と道徳教育(道徳の時間の教科化) | ①学習指導要領とは ②「特別の教科道徳」の目標と内容について ③「教科化」のねらいと「道徳の時間」との関連について理解する。 | 中野 美昭 |
7 | 道徳教育(学校教育活動全体)と「道徳の時間」との連携と関連について | ①道徳教育と道徳の時間の関連と連携(旧補充・深化・統合)について ②具体例に基づき関連と連携 ③学校の現況について理解する。 | 中野 美昭 |
8 | ①学校教育目標の具現化=「育成すべき子ども像」 ②学校教育活動全体を通じての道徳教育の指導計画及び発展的・計画的な指導方法 | ①学校教育目標とは=学校→学年→学級を一体化した組織的な対応について ②育成すべき子ども像の設定 ③学校・家庭(子どもたち)・地域との連携・協働について ④「信頼される学校」の創設について理解する。 | 中野 美昭 |
9 | ①「考え、討論する授業」の展開について ②今後の「新しい学び」の基盤としての「思考力・判断力・表現力」の育成について | ①「教科化」を基点とした子どもたちの主体性を重視した授業展開について ②厳しい挑戦の時代や成熟化社会に対応する「新しい学び」について理解する。 | 中野 美昭 |
10 | ①「アクティブ・ラーニング」とは、その指導法と活用方法について ②主体性を育成する多種多様な指導方法や学習形態について | ①ALのねらいと実践的な活用指導方法について ②多種多様な指導方法の活用の仕方について理解する。 | 中野 美昭 |
11 | ①興味関心を抱き、より実生活に即した教材の発掘と活用について ②「道徳的ジレンマ」に基づく題材とは。 | ①学習指導要領が提示する資料の条件について ②資料の作成とその活用方法について ③「道徳的ジレンマ」を題材とした資料について理解する。 | 中野 美昭 |
12 | ①「評価全般」について ②「特別の教科道徳」の評価の在り方及び評価方法について | ①減点評価から加点評価へ ②ポートフォリオ評価とパフォーマンス評価について ③学習指導要領が明示する道徳の評価の在り方について理解する。 | 中野 美昭 |
13 | ①「道徳学習指導案とは、その作成方法」について」 ②「道徳科学習指導案」を作成してみよう。 | ①「学習指導案」とは。また、作成の必要性について ②「道徳科学習指導案」の作成方法について ③個別作成→家庭学習で補充し提出 | 中野 美昭 |
14 | ①「模擬授業」をやってみよう。 ②実践を通じての授業改善の視点の体得 | ①模擬授業の展開→質疑応答→総括(25分×3人=75分) ②より良い授業とは(授業改善へ向けて)について知る。 | 中野 美昭 |
15 | ①「道徳的対話」が出来る教師とは? ②学習のまとめ | ①自己理解・他者理解・自己尊重・他者尊重→相互理解から合意形成へ ②既習事項の振り返りと要点整理 ③定期テスト及び評価全般について | 中野 美昭 |