英文名 | Introductry of Molecular Biology | |
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科目概要 | 海洋生命科学科2年後期(前半) [(15コマ)]、2群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
必要授業 時間外学習 | 60時間 | |
担当者 | ●水澤 寛太(増殖生物学 魚類分子内分泌学) mizusawa@kitasato-u.ac.jp |
教職課程 | ◯ | 教科及び教科の指導法に関する科目/大学が独自に設定する科目 |
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学芸員養成課程 | ||
食品衛生管理者・監視員任用資格 | ||
自然再生士補資格 |
遺伝子は遺伝情報を子孫に伝えるとともに、あらゆる生命活動において常に働く。遺伝情報はDNAにコードされており、RNA、タンパク質の順序で伝わる。遺伝子発現とその調節機構、タンパク質合成のしくみ、突然変異による遺伝子の多様化、生物の多様性など、生命現象の分子機構の理解を図る。
1. 遺伝学の基礎概念
2. 核酸の構造とゲノムの構成
3. 複製:DNAの生合成
4. DNA損傷の修復と変異
5. 転写:RNAの生合成
6. 翻訳:タンパク質の生合成
7. 転写調節の基本
8. 発現調節
9. RNAの多様な働き
10. 動く遺伝因子とウイルス
11. ゲノムの変容と進化
パワーポイントと配付資料を用いて講義し、キャンパス手帳の投稿機能により質疑応答を行う。
◯ A: 多面的思考能力 | ◎ B: 自然科学の基礎知識・理解 | ◯ C: 専門分野の知識・技術 | D: 問題解決能力 |
E: 実務能力 | F: コミュニケーション能力 | G: 技術者倫理 | H: 継続的学習能力 |
回 | 実施項目 | 学習内容と学習課題 | 担当者 |
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第1回 | ガイダンス 遺伝学の基礎概念(1) | ・この講義の進め方 ・遺伝子の基礎概念(1章) メンデルの法則、連鎖 【予習】教科書関連箇所(この回では上述のように1章)を熟読すること。第2回以降の講義の予習についても同様。 【復習】ノート整理と教科書関連箇所の熟読 | 水澤 寛太 |
第2回 | 遺伝学の基礎概念(2) | ・遺伝子の概念と物質的実体(1章) 形質転換、一遺伝子一酵素説、ハーシーとチェイスの実験、染色体、減数分裂、組換え、交差、座位、アレル、優性(顕性)と劣性(潜性)、ハーディー・ワインベルグの法則 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第3回 | 核酸の構造とゲノムの構成 | ・核酸の構造とゲノムの構成(2章) 糖質、脂質、核酸、塩基、DNAの二重らせん、シャルガフの法則、主溝と副溝、核酸の一次構造〜四次構造、タンパク質遺伝子の一次構造、ゲノム、プラスミド、染色体、ヌクレオソームとヒストン、テロメアとセントロメア、真正染色質と異質染色質 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第4回 | 複製:DNAの生合成(1) | ・複製:DNAの生合成(3章) DNAの半保存的複製、DNAの重合反応、複製起点、複製フォーク 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第5回 | 複製:DNAの生合成(2) | ・複製:DNAの生合成(3章) DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼの校正機能とクレノウ断片、ポリメラーゼ連鎖反応、レプリソーム、複製の開始〜伸長〜終結、DNAの複製開始と細胞周期の同調、超らせん、DNAの末端複製問題、テロメア、テロメラーゼ 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第6回 | 損傷の修復と変異 | ・損傷の修復と変異(4章) DNAを損傷させる要因、エイムス試験、点変異の種類、DNAの複製間違い、複製時の修復、直接的修復、除去修復、二本鎖DNAの同時修復 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第7回 | 転写:RNAの生合成 | ・転写:RNAの生合成(5章) 転写、RNAとDNAの違い、RNAの重合反応、大腸菌のRNAポリメラーゼ、プロモーター、大腸菌における転写の開始〜伸長〜終結、真核生物における転写と転写調節、転写後の加工、イントロン、スプライシング、rRNAとtRNAの加工 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第8回 | 翻訳:タンパク質の生合成(1) | ・翻訳:タンパク質の生合成(6章) タンパク質、アミノ酸、コドン、リボソーム、読み枠、標準コードにないアミノ酸 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第9回 | 翻訳:タンパク質の生合成(2) | ・翻訳:タンパク質の生合成(6章) tRNA、アンチコドン、アミノアシルtRNA合成酵素 、リボソーム、ペプチド転移反応、抗生物質、最近における翻訳の開始〜伸長〜終結、真核生物における翻訳 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第10回 | 転写調節の基本(1) | ・転写調節(7章) 調節性遺伝子発現、構成的遺伝子発現、遺伝子発現の7段階、転写調節因子、オペロン説、ラクトースオペロン、トリプトファンオペロン 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第11回 | 転写調節の基本(2) 真核生物における発現調節 | ・転写調節(7章) 転写調節因子とDNAの結合、転写後の発現調節 ・真核生物における発現調節(8章) 細胞の分化、クローン、真核細胞の遺伝子発現調節、真核生物の転写調節因子、クロマチン再構成複合体、ヒストンの化学修飾、DNAのメチル化、CG島、細菌のDNA修飾、制限酵素 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第12回 | RNAの多様な働き | ・RNAの多様な働き(10章) 非翻訳RNA、安定RNA、核内RNA、調節RNA、マイクロRNA、低分子干渉RNA、パイRNA、長鎖非翻訳RNA、クリスパー/キャス系、ゲノム編集 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第13回 | 動く遺伝因子とウイルス | ・動く遺伝因子とウイルス(11章) 保存型転位、複製型転位、トランスポゾン、遺伝子の水平伝播、保存型部位特異的組換え、ウイルス、バクテリオファージ、レトロウイルス、プリオン、 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
第14回 | ゲノムの全体像 ゲノムの変容と進化 | ・ゲノムの全体像(12章) 散在反復配列、縦列反復配列、遺伝的多型、一塩基多型、短い縦列反復配列多型、コピー数多様性 ・ゲノムの変容と進化(13章) RNAワールドとRNPワールド、遺伝子重複、偽遺伝子、分子進化の中立説、相同遺伝子、側系遺伝子、直系遺伝子、染色体と遺伝子の混交、ゲノムの配列比較、分子系統解析 【予習】教科書関連箇所と講義資料の熟読 【復習】ノート整理と教科書関連箇所、講義資料の熟読 | 水澤 寛太 |
(定期試験) | 水澤 寛太 | ||
第15回 | 達成度確認 | 定期試験答案の返却と問題の解説 【予習】定期試験の自己採点と教科書関連箇所、講義資料、ノートの熟読 【復習】理解が不足していた点について教科書関連箇所、講義資料、ノートの熟読 |
内容 | 学習・教育目標との対応 |
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1. 遺伝情報はDNAにコードされており、RNA、タンパク質の順序で伝わることを理解する。 | 目標BC |
2. 遺伝子発現とその調節機構、タンパク質合成のしくみ、突然変異による遺伝子の多様化、生物の多様性など、生命現象の分子機構を理解する。 | 目標ABC |
評価方法: 定期試験 [100%]
評価基準:1) 分子生物学および分子遺伝学の基本用語を説明できること。
2) 分子生物学および分子遺伝学が関わる物質の名称と機能を説明できること。
3) 遺伝情報の流れと分子の関連を説明できること。
4) 遺伝子発現のしくみを説明できること。
5) 生物進化と遺伝子との関連を説明できること。
フィードバックの方法: 達成度確認期間に答案を返却し、講評する。
1年次で受講した生物学の内容をよく復習しておくこと。
オンラインサポートページにおいて講義スライドの一部を公開するので予習と復習に活用してほしい。
講義時間外での対面での質問は水澤の居室(421号室)で受け付ける。
オフィスアワーは特に設けない。居室にいない場合もあるので、サポートページに質問や意見を投稿することを推奨する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 | 値段(円) |
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教科書 | 基礎分子遺伝学・ゲノム科学 | 坂本順司 | 裳華房 | 2,800円(税抜) |
参考書 | (なし) |